クエ
スズキ目
もうクエん
「クエを食ったら他の魚はクエん!」なんとも食えないダジャレではあるが、食べたことがない私には、シャレにもならない。ありったけの想像力を動員しても、『味』というものは脳裏に浮かばないものだ。残りの人生でクエにありつける幸運を期待するのみである。クエはスズキ目の中でハタ科に属する。ハタの仲間は唇が滑稽なほどに分厚い。体表は色褪せていて、冴えない。しかし、クエは魚界1の美味を誇るらしい。ルッキング全盛のご時世に、一石を投じるクエの佇まいである。
以前、この図鑑に登場したホンソメワケベラと、このクエは共生関係にある。ワケベラはクエの食べカスや寄生虫を口の中に入って掃除してあげる。代わりに大魚クエはワケベラの用心棒をしてあげる。共生関係は生き物の世界では間々あることだ。トビウオと共生関係にある生物は今のところ、確認されていない。空中偵察ならお手のもの、誰か雇ってくれないか。