サクラマス
サケ目
さくら咲く
海に下ればサクラマス。川に残ればヤマメ。この魚は幼くして人生の岐路に立つ。餌をめぐる争いに敗れたものが、餌を求めて海に向かう。だが、のちに20倍もの大きさになったサクラマスは、故郷の川に戻って来る。故郷に残ったヤマメは小さいまま。ヤマメは「僕も海に行けば良かった」と、ちょっぴり悔やんでいるかもしれない。
海に向かった一団に、サクラマスという華やかな名前が付けられた。さくらの季節に遡上し、繁殖期は体表がピンクに染まる。ヤマメだって負けてはいない。「渓流の女王」と呼ばれ、小判型の斑点と薄ピンクのグラデーションが華やか。育った場所が違っても、血は争えないものだ。青魚のトビウオには羨ましいかぎり。(多分に空想を含んでいます)