イワシ
ニシン目
イワシニシヒガシ
ライバル、サバとの競合いに勝ち、22年度漁獲高の堂々第1に輝いたイワシ。当然人気も高いはず、と思いきや、意外に目立たない存在だ。イワシは加工名称で呼ばれることが多い。例えば、煮干し、目刺し、つみれ、これらはすべてイワシなのに、イワシの名前で呼ばれることはない。その稚魚を加工した、ちりめんじゃこに至っては、イワシをイメージするのさえ難しい。しかし、ここが国民的大衆魚の面目躍如、献立の至る所に潜んでいるのだ。
実は、煮干しの正体はイワシであるとは限らない。煮干しとは、魚を煮て干した干物の総称である。イワシには及ばないが、煮干しの正体はトビウオであることも多い。「アゴ出汁」と聞いて納得する方もいるのでは。九州でトビウオはアゴと呼ばれる。トビウオの胸ビレを取ってしまえば、イワシとトビウオはかなり似ている。「出汁」の世界ではライバルであり、盟友でもある。 (多分に空想を含んでいます。このコラム『fish&talk』(その28)に関連トピックが載っています。ぜひご一読を。※煮干しに使われるイワシは小型のカタクチイワシです。)