ドジョウ
コイ目
田んぼのジョー
♪ドジョウが出てきてこんにちわ。坊ちゃん一緒に遊びましょう♪。この歌が出来た大正時代、近隣の池や田んぼに住むドジョウは、身近なお魚だったに違いない。ドジョウは江戸の頃からの重要なタンパク源であった。「どぜう鍋」は今に伝わる東京下町の名物料理。ドジョウは泥臭さがちょっと苦手、という人は多い。現代では「泥臭い」は、味覚から離れ、野暮ったさを表現する言葉になっている。しかしここ最近「泥臭い」のイメージが上向いている気がする。「泥臭くやって行きますよ」って、どこか肯定感を感じます。ドジョウも出てきてニッコリ。
かつての宴会の大衆芸の花形、『ドジョウすくい』。ドジョウは日本の大衆の暮らしに深く関わっていた。坊ちゃんと一緒に遊んだこともあっただろう。ドジョウの容姿と体色は、いかんせん地味だ。ただ救いはユーモラスな口ひげ。想像の域は全く出ないが、どじょうが大衆芸のヒーローに成り得たのは、あの口ひげのような気がしてならない。トビウオの胸ビレ以上にシンボリックだ。まさに『ドジョウ救い』?!(多分に空想を含んでいます。)