コバンザメ
スズキ目
ウィズユー
強い者にくっ付いて、おこぼれを頂戴するなんざあ、けしからん!地上では評判悪いのかなあ。面食らっているのは当の本人コバンザメ。頭に付いた小判型の吸盤で大きい魚にくっ付き、彼らの食べ残しをいただくという作戦だ。フードロスを無くそうと叫ばれる時代、むしろ褒められるべきところ。しかも、勝手にサメと呼ばれているが、分類上、サメとは全く縁が無い。どうも地上との意思疎通がままならないコバンザメ。頭上の小判が恨めしい。
トビウオを始め、胸ビレを進化させた魚は多いが、コバンザメの吸盤は、背ビレが進化したものらしい。食べ残しを狙って、大魚に近付いた時、偶然にその魚の腹に背ビレが密着したかもしれない。まさに吸盤のようにピタッとね。ことの始めはいつも偶然なのだ。そして、子孫が少しづつその性能を高めていったのだろう。その結果、どう見ても頭の上に小判を乗せた魚になってしまった。進化とは、思いもよらない姿を作ってしまうものなのだ。(多分に空想を含んでいます。)