ゴンズイ
ナマズ目
権之助
世の中には、聞くより見た方が早い、という事がたくさんあるが、ゴンズイ玉は一見の価値がある。魚の中には群れを作るものが多い。ゴンズイの群れはひと固まりになり、少しずつ形を変えながら移動していく。密集度が半端ないので、まるで1匹の巨大アメーバのようだ。そして一気に散り去り、また集まって固まりになる。散り際は打ち上げ花火のように美しい。話すだけではこの興奮は伝えられない。私は繰り返したい。百聞は一見にしかず。ゴンズイ玉は一見の価値がある。
人間も群れる習性があるようだが、一人になりたい時も多々ある。ゴンズイはどうなのだろうか。1匹ぐらいはへそ曲がりがいそうなものだが、群れることで得る利益は大きい。狙われる確率が下がるのだ。へそが曲がっていてはすぐに食べられる。トビウオも海中ではもちろん、空中でも数匹で編隊を組む事がある。その勇姿はブルーインパルスのごとき、これまた一見の価値がある。(多分に空想を含んでいます。)